
うつ病の治療・治し方、治療薬の種類・副作用など回復のため治療方法を知ろう。
うつ病の治療は主に「十分な休養」と「薬による治療」という2つの方法が行われます。
これに、考え方などを見直す「精神療法」を組みあわせて治療されることもあります。
うつ病の治療・治し方の基本
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十分な休養
うつ病の治療では、なんといっても十分な休養をとることが大切ですね。
ところが責任感の強い患者さんだと、仕事を休んだり、家事をやらないことは悪いことだと思い、これがなかなか休もうとしないんです。
でも、それだと状況が変わりませんので、うつ病の原因も取り除かれない為に十分な治療効果は期待できません。
ですので、休むという選択を取れるように周りの理解と協力が必要なのです。
薬による治療
うつ病の治療・治し方として、抗うつ剤を使用した薬物治療も効果的な治療として行われています。
ただ、薬による治療は効果がすぐに表れなかったり、体に合わなかったりといったこともあります。
その為、途中で勝手に減薬したり、飲むのを辞めたりしてしまいますと、治る物も治りません。
医師の指示にしたがって治療していきましょう。
精神療法(心理的治療)
うつ病の精神療法(心理的治療)は、「ぶり返し」を予防するために効果があります。
否定的な思考パターンを、専門的知識と経験をもつ医師との話し合いから、より柔軟な思考パターンにしていく認知行動療法。
対人関係において正しい対処法を学んで、考え方を変えていく対人関係療法などがあります。
うつ病の治療薬の種類
抗うつ薬・抗不安薬
抗うつ薬の効能は一言で言うと、脳内環境の調整といった感じでしょうか。
うつ病を引き起こす原因は様々です、うつ病は脳内神経物質のバランスが悪化した状態となっているのです。
この脳内物質のバランスの悪化を調整する薬が抗うつ薬になります。
ですから、よく思われがちな「心が弱いからなる病」などと言う単純な病気ではないのです。
抗うつ薬は効果が表れるのに、約1~2週間程度掛かるので患者さんの判断で勝手に服用をやめてしまったりしてはいけません。
抗不安薬の効能は不安、緊張を和らげるといった感じです。
日常生活での不安、緊張が強く出て多大な支障が出る人に処方される薬です。
ですので、ごく一般的な不安、緊張に対処するような薬ではありません。
睡眠薬
うつ病の多くの人は不眠症を経験していると言われています。
朝早く目が覚めて(早朝覚醒)、ストレス原因を考え巡らす傾向がようです。
睡眠薬は「中毒性が高く、量が増えていく」など印象があまり良くないですが、実際そういうことはなくうつ病患者さんにとっては不眠を改善さするための重要な薬となっています。
抗精神病薬
幻覚、幻聴、妄想する人がいますが、現実と非現実の区別が曖昧になってしまっている人に対して服用してもらう薬が抗精神病薬となります。
向精神薬の作用する脳神経伝達物質はドーパミンで、日常で快感を感じたときに脳内に分泌されます。
統合失調症など現実認識が低下していて、幻覚、幻聴が表れているときにドーパミンの分泌に異常があるため、抗精神病薬で対処します。
気分安定薬
躁うつ病において双方向性の作用をもっており、気分変動を抑制、躁うつの両病相の予防効果もあります。
抗うつ薬の副作用とは
うつ病治療に効果がある抗うつ薬も、少なからず吐き気などの副作用があります。
しかし、こういった副作用は服用初期に現れ、だんだんと収まってくるようです。
抗うつ薬の、SSRI(選択的セロトニン最取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)やNaSSA(ノルアドレナリン作動性、特異的セロトニン作動性抗うつ薬)は、昔から使用されている三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬に比べ副作用は少なくなっています。
しかし、飲み始めのときは、「吐き気、むかつき」などの副作用が、脳の中の「吐き気をコントロールする器官」などが刺激されて起こるといわれています。
多くの場合は、続けて服用を続けていくと収まっていきますが、他にも「口の渇き」「便秘、排尿障害」「眠気」「胃腸障害」「頭痛」なども表れます。
うつ病の治療・治し方、治療薬の種類・副作用など回復のまとめ
うつ病治療で、一番大切なことは「安心して休息できる」ことですね。
厚生労働省の発表によると、うつ患者は2002年には71.1万人、2008年には104.1万人と、右肩上がりで増加しています。
現在は生涯にわたり、うつ病にかかる人は15人に1人といわれています。
しかしですね、4人に3人のうつ病患者さんは病院に診察に行っていないそうで、本当の患者さんはもっと多いでしょうね。
ですので心療内科などは初めていく場合は、敷居が高く感じるかもしれませんが、その初めの一歩が踏み出せていない人が多いことからの現状です。
うつ病は治療しないことには、良くなることなどありません。
また、うつ病患者さんは何をするにも億劫になる傾向がありますので、家族のサポートが必要です。
病院に行くときは付き添ってあげるといいかと思います。