うつ病の種類、仮面うつ病とは、どんな特徴・症状がある病気?

仮面うつ病とは、「他の症状という仮面によって、うつ病本来の症状が見えにくくなっているうつ病性障害」のことです。

なんだか身体が痛い。

微熱がずっと続いている。

頭痛やめまいがある。

こういった症状の場合は、まずは内科を受診することかと思います。

しかし、原因はうつ病であるため診察をしても身体に異常がみられず、また身体の症状に合わせた薬では治りません。

ここでは、仮面うつ病の特徴や症状などについてご紹介します。

 

 

仮面うつ病の特徴とは?

07bfb06d377c575bc8b12bfd77a13794_s 画像出展:http://www.photo-ac.com/

仮面うつ病は、うつ病の典型的な症状が乏しく、一見するとうつ病ではない印象があります。

気分の落ち込みや興味・喜びの喪失などといったうつ病でよくある精神的な症状はあまり表れず、逆に身体的症状が強く表れます。

このことから、患者さんは初めは内科などを受診することが多いのです。

そこで身体的な症状に合わせた治療が行われますが、本質はうつ病なので身体的症状が多少軽くなってもあるため仮面うつ病事態は改善されません。

うつ病が「仮面でおおわれて見えにくくなっている」だけであり、その本質はうつ病なのです。

仮面うつ病は、最初に診断した医師がうつ病に関する知識をきちんと持っているかが重要となります。

というのも身体的な症状が強いとはいえ、うつ病の典型的な気分の落ち込みや興味・喜びの喪失などの精神的な症状も多少は見られるため、最初の時点でうつ病を疑えるか?ということが大事となります。

あくまで身体的な症状に隠れて「見えにくくなっている」だけですので、患者さんの話をよく聞いて、しっかりと診察をすればうつ病の存在が見えてきます。

 

仮面うつ病の症状とは?

仮面うつ病の症状は、代表的な物は以下のようなものになります。

不定愁訴

仮面うつ病の主な症状で、検査してもどこにも異常がないにもかかわらず表れる様々な自覚症状のことです。

仮面うつ病は、精神的なものが原因で身体的な症状が強く表れるうつ病ですので内科的・外科的な検査をしても異常は見つかりません。

そのため、身体的な症状に合わせた治療では改善されません。

代表的な身体的な症状でいえば疲労感や食欲不振、めまい、耳鳴り、微熱、手足のしびれ、頭痛、腹痛、腰痛、胸部圧迫感などがあげられます。

また、症状がでる箇所が頻繁に変わったり、一度に多数の場所にが発生することも特徴です。

 

精神的な症状

仮面うつ病でも、少なからず抑うつや興味の喪失、不安感などの精神的な症状は表れます。

しかし、症状が比較的軽いので症状が重い身体的な不調に目立って、なかなか気付かれません。

そのため初期の段階では気づかれずに放置されてしまい、うつ病としての治療が遅くなる傾向にあります。

治療が遅くなる、軽かった精神的な症状も悪化してしまい睡眠障害や妄想、罪責感、自殺願望、希死念慮といった症状も表れ始めます。

ですので身体的な症状だけにとらわれず、抑うつや興味の喪失、不安感など精神的症状がないかどうかをよく確認しましょう。

 

 

仮面うつ病のまとめ

仮面うつ病は 身体の痛みや不調の中に見え隠れする精神的な症状を発見できるかが重要となります。

精神的な症状に気づけなければ、検査しても以上ないですがお薬出して様子見ましょう!みたいなことにしかなりませんからね。

身体的な症状が強くても仮面うつ病はうつ病ですので、うつ病と同じ治療でないと治りません。

ただうつ病が改善するまではある程度の時間がかかります。

その治療期間の間、必要に応じて身体症状に対してのお薬の投与を行う事もあります。

身体的な治療は、その場しのぎですが苦痛を和らげてあげることは意味のあることです。

また、身体症状が強いので、「実はあなたの症状は内科の病気ではなくて、うつ病なんですよ」と伝えても、なかなか受け入れてもらえないこともあります。

仮面うつ病の患者さんは自分に厳しい方が多いため、「本人にうつ病を受け入れてもらう」ことが、仮面うつ病の治療で一番難しいところなんですね。